お正月は「お年玉」 お盆には「お盆玉?」
最初聞いたときは「なんじゃそれ?」と笑ってしまったけど
そもそもの由来調べてみたら
日本の昔の生活事情が見えてきて
「にわかに生み出された、ただの流行」
というものではありませんでした。
とは言え、渡す側からすると
「お年玉だけでも大変なのに!お盆にもお盆玉!?」
と感じるかもしれませんよね。
さて「お盆玉」とは一体何なのか?
モヤモヤをスッキリさせちゃいましょう♪
お盆玉とはそもそもなんなのか?
ネットで調べ物をしていたら目に飛び込んで来た
「お盆玉」という見慣れない言葉。
私が最初に連想したのは「日本酒出来ましたよ」の印に
酒蔵に吊るされる「杉玉」でした。
・・・全然違いました(笑)
お正月→お年玉
お盆→お盆玉
なるほど。そういうことか。
と、初めて聞くお盆玉の正体がわかった次の瞬間の思考は・・・
「親戚に子供が増えて、お正月のお年玉だけでも大変なのに!
何処の誰がそんな物を流行らせようとしてるんだ!」
という「あげる側」の大人としての切実な事情でしたが
なにやらお盆玉には歴史があるらしいとの情報も入手したので
調べてみました。
見えてきた昔の生活
遥か昔の日本。
江戸時代からおよそ200年ほど続いた
日本の商店主育成制度の「年季奉公」というのがあります。
小学校に上がる位の年齢から「丁稚(でっち)」として奉公したそうです。
わかりやすく言うと、商売をしている家(商家)で
住み込みで仕事をしつつ、その家の家事もやるという感じですかね。
仕事を覚えて番頭さんになったり、支店を出す際の主に任命されたり
現代で言う「出世」が出来ることもあったようです。
有名な「おしん」も、家が貧しく食い扶持(くいぶち)を減らす為に
少女時代に年季奉公に出された先での話が印象的ですよね。
そんな子供達、休みなど無くひたすら働く毎日だったようですが
お正月とお盆には、実家に帰ることを許してくれる商家もあったとのこと。
そしてこの帰省の際に、下駄や着物を持たせてあげたのが
時代の移り変わりと共に、現金を渡すようになり
年季奉公という形も無くなり・・・
お盆に帰省する孫や子供に渡す夏のお小遣いへと変わっていった。
特別な名前は付いていなかったようですが
これが「お盆玉」の原型ということらしいです。
ちなみにこの、下駄や着物を渡す風習は
もともと山形県の一部の地域で行われていた、という話がありますが・・・
山形出身の人でも「そんな話は知らない」場合もあるようです^^;
お盆玉という名前はいつから広まったか
さて、そんな由来のある「お盆玉」ですが
ここ最近話題になっているのには、3つの理由があります。
1:お盆玉ポチ袋の製品化・商標登録
2010年に山梨県で紙製品などを扱う「株式会社マルアイ」という企業が
お盆玉と命名をし、おぼんだまというひらがな表記と共に商標登録。
「おぼんだま」のポチ袋を生産開始。
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2:郵便局でこのポチ袋の取り扱いを開始
2014年に日本郵便が、このポチ袋を全国20,000の郵便局の店頭で
販売を開始。前年に「ポチ袋置いてますか?」という
問い合わせが多かったことから、設置をしたとの事。
3:この流れをメディアが取り上げた
そしてテレビやネット・経済関連の書籍などで
この「おぼんだまポチ袋」の話が取り上げられて
さらに広まることになったようです。
多くの人の目に触れたのは、2014年という事になりますね。
お盆玉ポチ袋に入れる金額の相場は?
さてそんな流れでメジャーになりつつある「お盆玉」
全国的に広まり「お年玉」と並ぶ存在になると
大人としては「ちょっと大変ね・・・」
という気も正直しなくは無いのですが^^;
お盆の時期に孫に会うのを楽しみにしている
おじいちゃんおばあちゃんにとっては
「かわいい孫にお小遣いを渡す理由」
という感じになるのかもしれないですね。
お盆玉をあげている、というみなさんの話をまとめてみたところ
金額の相場は・・・
小学生:千円から三千円
中学生:三千円から五千円
高校生:五千円から一万円
となっているようです。
お盆玉ポチ袋のデザインをいくつか見てみましたが
ちょっと粋で、かわいい物が沢山ありました。
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冒頭でお伝えしたとおり
「お盆玉」という言葉自体も
「なるほどね」とは思いました。
義務的にあげなくちゃいけないもの!という感じには
正直なって欲しくないなぁとは個人的に思いますが・・・
「いつも頑張っている子供達への夏のお小遣い」を
あげるときに、ちょっと入れてあげるのにはいいかな♪と。
ただ、親戚の集まりなどで子供達にあげようかな?という場合は
大人同士の事情や兼ね合いが、どうしてもありますからね(笑)
あとあとトラブルになるのを避けるためにも
大人同士で「事前確認」をした方がいいかもしれないですね^^;
お盆玉 まとめ
古くからの風習が時代の変化と共に形を変え
企業のアイデアや、消費者からの要望がマッチして
広がりつつある「お盆玉」
その後、スーパーやコンビにでも販売されるようになっていますし
数年先には「あたりまえのもの」として浸透するのかもしれないですね。
あげる側としては・・・ちょっとだけ複雑な気分ではあります(笑)
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