今年もお盆の時期が近づいてきましたね。
お盆のお墓参りのルールや考え方などは、地域や各家庭ごとに受け継いできた風習などがあるもの。いままで常識だと思っていた実家のお墓参りが、義実家では非常識!となってしまうかもしれません。
「常識が無い人ね…」と思われない為に、お墓参りには色々なマナーがあることを知っておきましょう。
お盆のお墓参りの服装 何を着ていけばいい?
お盆のお墓参りは、礼服を着ていくべきなのか?普段着で行っても問題ないのか?
まずは服装についてのマナーからご紹介します。
基本的には、家族でのお墓参りであれば礼服を着る必要はありません。
とは言え、あまりにカジュアルで派手なデザインは控えるようにしましょう。
墓地内は芝生や砂利があることが多いので、ピンヒールはは避けたほうがいいですね。お墓の掃除などもあるので動きやすい服装をオススメします。また、お参りの際にしゃがむこともあるので、ミニスカートはふさわしくないと考えた方がいいですね。
家族だけのお墓参りではなくお坊さんにお経を上げていただく場合や、お盆に親戚一同が集まってお墓参りをするというような時は礼服、もしくはダークカラーの洋服(男性はスーツ、女性はワンピース、子供は制服など)で集まるのが当たり前、という場合もあります。
あなただけ、またはあなたの家族だけ「周りとかけ離れた服装」にならないよう、事前に親(義親)や目上の親戚などに何を着ていくか確認しておくと安心ですね。
また、実家や義実家のご先祖様のお墓参りではなくお友達や知人のお墓参りに行く時期がお盆にあたる場合。お墓でご親族にお目にかかる可能性もあるので、失礼に当たるような過度にカジュアルな格好は控えるようにしましょう。
お墓参りのお供え物は食べる?食べない?
次に、お供え物についてのマナーです。
カラスや猫などが来ない様に「お供えの食べ物は置きっ放しにしない」というのが一般的になっていますが「お供えをした食べ物や飲み物をどのように扱うか?」というのも、各地方の風習や家族の間のルールによって大きく違います。
どんな考え方があるのか見てみましょう。
食べ物・飲み物について
◆お墓に持っていったものは、一切持ち帰るべきでは無いので処分して帰る
◆お墓の前で一緒に食べてから帰る
◆自宅に持ち帰る
→盆棚にお供えする
→お供えはせず、みんなで食べてご先祖様との繋がりをあらわす
お供えのお花について
◆お墓に供えたまま帰る
→お墓にあった物は持ち帰らないので、古い(枯れた)花は墓地で捨てる
→古い(枯れた)花はゴミなので持ち帰って捨てる
◆お参りが終わったら、帰る前に花立てから取り除く
→お墓に持って行ったものは全て捨てて帰る
→墓地に花供養の場所があるのでそこに置いて帰る
→自宅に持ち帰り、仏壇や盆棚に供える
このように、家族や親族内の昔からのルール・宗派の規律・地域、地方の風習などによって、考え方は実に色々。あなたが考えていたことと正反対のことが「常識」となっている可能性も。
お供え物の種類も、宗派や地方ならではのしきたりがあったり、ご先祖様や故人が好きだった物を用意するのが毎年の決まりになっているという場合もあるので「初めて準備を担当する」という場合は、服装と同じように事前に確認をしておくと安心です。
お墓参りの常識と非常識
では最後に、お参りの仕方について項目別に色々なマナー(風習)をご紹介します。
お墓には水をかける?かけない?
お墓の掃除が終わった後に、お墓を清める為に墓石のてっぺんから柄杓(ひしゃく)で水をかけたら、義親や親戚に烈火のごとく怒られてしまった!という話があります。
お墓に水をかけるのが当たり前、と思っていた側からすれば「えっ!?何で怒られるの?」という話ですが、お墓に水をかけるなんてとんでもない!という側からすれば「なんて非常識な!!」と思ってしまいますよね。
家庭(親戚・親族の中のルールや、宗派による考え方の違いはさておき「墓石に水をかけると石が傷むのかどうか?」という視点で、石屋さんに聞いてみたのですが・・・これまた意見は様々でした。
石が傷む痛まないについては「石の種類や仕上げの方法」によって差があるようですし、墓石の姿についても「時間の経過と共に墓石が苔生して(こけむして)いくのが良い」という考え方もあれば「そうでは無い」という考え方もありました。「ひとつの正解」というのは存在しない物なんですね。
また、お供え物としてよくあるビールや日本酒についても「お供えはするけど墓石に掛けることはしない!」「お酒をはかけるけど、その後水で流しておくもの!」「ご先祖様が久しぶりに飲めるお酒を洗い流して取り上げるのは失礼だ!」と、これまた考え方は様々。
※ちなみに石が傷む傷まない、という点においては「お酒は水で流した方がいい」とのこと。
では、お墓(墓石)に水をかけるかどうかについての考え方をまとめておきましょう。
◆水はかけるべきでは無い!
→墓石が傷むからかけない
→ご先祖様の頭から水をかけるなんて失礼だからかけない
◆水はかけるべき!
→お墓参りをした時しか(ご先祖様は)新しい水が飲めないんだからたっぷりかけるものだ
→水はかけるべきだが、頭からかけるのは失礼 お墓(墓石)の中程から少しかけるものだ
お線香はひとりずつ?折って火をつけるの?
お線香点けた火は息を吹きかけずに手であおいで消す、というのは広くマナーとして広まっています。ですが、火の点け方にも色々なやり方がありました。
◆蝋燭(ろうそく)に灯した火からお線香に点ける
◆風で消えちゃうのでライターなどで直接点ける
◆束のまま代表者が点ける
→代表者が香炉台にまとめて供える
→皆に数本ずつ配ってそれぞれ香炉台に供える
◆長さはそのまま 折れたお線香は使わない
◆折って長さを短くしてから火をつける
→早く燃え終わらないと危ないから
→香り(煙)をたくさん出す為
◆一人の本数が決まっている
→3本
→1本
◆本数は決まっていない
お線香ひとつとっても、色々なやり方があるものですね。
ちなみに、先ほど「息を吹きかけて消してはいけない」という話をしましたよね?
私の祖母もその様に言っていました。私が小さい時に「ふーっ!」と息を吹きかけて消すと怒られたものですが・・・晩年は筋力や握力が衰え、手で仰いで消すことが出来なくなり「消えりゃなんでもいい。お参りは気持ちが大事なんだ!」と言って「ふーっ!」とやってました(笑)個人的には・・・この考え好きですが、マナーや作法は「知っておいて損は無い」と思っています。
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合掌の順番は?
お墓の掃除→お供え物→順番にお線香を供えた人から合掌、という流れが広く浸透している様ですが、実はその順序ややり方も色々とあるのです。
◆代表者がまとめてお線香を置く
→ご先祖様・故人に近い順に合掌礼拝
→全員で一斉に合掌礼拝
◆ご先祖様・故人に近い順に一人ずつお線香を供える
→そのまま一人ずつ合掌礼拝
→お線香だけ順番に供えてから、全員で一斉に合掌礼拝
◆合掌礼拝の姿勢
→立つ
→しゃがむ
他にもお墓の周りでは靴を脱ぐという方もいらっしゃるようですし、掃除の際に土足のままお墓に上るという方もいらっしゃいました。・・・私個人としては「それはどうかしら?^^;」と感じましたが・・・本当に色々なんですね。
お墓参りの服装、マナーや作法 まとめ
お墓参りの服装やマナー、作法について色々とご紹介してきましたがいかがでしたか?
「あなたの常識」からすると「えーーっ?そんな非常識なことがあるの?」というやり方もあったと思います。
宗派のしきたりというだけでなく、家族や親戚の中でのルール、地方の風習などはお墓参りだけでなく、他の季節の行事や冠婚葬祭でも色々とあるもの。
自分の実家では当たり前だったことが、嫁ぎ先や引越し先では非常識にあたってしまうことも。また、残念ながら・・・旦那様(または奥様)が実家や地元のルールをきちんと分かっていない、という事も珍しくはありません^^;
遠距離の家同士で結婚をして「嫁(婿)としてお盆の準備をする」という場合や、遠距離の引越しをして「地域のお盆行事の当番になった」という場合は、その家庭や地方の風習、ルールやマナーを知らないと「ヤダ!あの人非常識!」なんて言われてしまうかもしれません。
そんなことは避けたいところですので、義親・目上の親戚などに事前に確認をしておくのが一番です。前もってしっかり確認をして、無事に(笑)お盆を迎えてくださいね。
【お盆のお墓参り 非常識と思われたくない!ルールやマナーまとめ】
◆お墓の掃除 道具ややり方
◆供花のNGは?
◆お墓参りの服装はどうしたらいい?
◆お参りは午前中に行くもの?
◆ペット同伴のマナー
最後まで読んでいただきありがとうございました
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